「じゃあ、代わりにわたしがやってあげる」
「サギリ?」
「リオンちゃんが目覚めて編める様になるまで、わたしが代わりに」
「サギリ、でも」
「王子様は、嫌?」
投げ掛けられた質問に、カフェルナーシェは一つ瞬いた。
けれどすぐにふわりと柔らかく微笑むと、首をそっと横に振る。
「そんな訳無いよ。有難う、サギリ」
感謝の言葉と共に告げられた承諾に、サギリの微笑がほんの少しだけ緩んだ。そのささやかな変化を察し、カフェルナーシェは嬉しそうに目許を緩ませる。
と、ふとロイを放置していた事に思い至り、くるりと振り返って。
「あ、放りっ放しですまない、ロイ。それで、何―――…」
「……なんっでもないっっ!!!」
カフェルナーシェの言葉を遮って叫び、ロイはじゃあな!! と二人の横を擦り抜けて脱兎とばかりに部屋を後にした。
あっという間に走り去ってしまってロイにぱちくりと目を丸くし、残された二人は顔を見合わせる。
「……王子様。影武者さん、どうしたの?」
「…さぁ?」
その後数日、カフェルナーシェの綺麗に編まれた髪を、恨めしそうに睨むロイの姿があったとか無かったとか。
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王ロイでは(以下略)
いやーもうサギリ可愛いよサギリ(もえもえ)
でも王サギではなくあくまで王+サギでお願いします。だってサギリってどう考えてもあと数年は恋愛なんて無理だと思う…。……ついでに王子も。
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