018:親友






それはいつも、何度も繰り返されたやり取りの中で。
「なぁなぁユウちゃん」
「ファーストネームで呼ぶなっつってんだろ。ちゃん付けもするんじゃねェ」
「まーまー。良いじゃんオレ達親友だろ〜? なっ」
何でもない様に零れた言葉にぴくりと反応し、神田は思わず足を止める。不意に立ち止まった神田に、その一歩後ろを歩いていたラビは不思議そうに首を傾げた。
「ユウ?」
「…何でもねェ」
答えを返しながら神田は歩みを再開する。
背後の怪訝そうな空気には無視を決め込んだ。
(親友?)
そうして、密やかに、嘲笑する。





(本当にそんな関係になったら、困るのは他でもないお前の癖に)





- End -





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うちの神田さんは、別にラビが嫌いとかそういう訳じゃないんですよ!(説得力がない)



(2010-03-29初出)