「外?」
昼食を取ろうとする人々が集まり始めた食堂。ざわつく空気の中でカインが怪訝に訊ねれば、マリーはそうだよ、と手の動きは止めずに頷いた。
「半刻位前だったかねぇ。外で昼御飯を食べたいんだって言うから、サンドイッチを持たせてあげたんだよ」
「…………」
眉を顰めて考え込むカインを他所に、マリーの手からスープの盛られた皿がことりと机に置かれる。
「こんな天気だからまた日を改めたら、とは言ったんだけど、困った様に微笑うばかりでねぇ…。雨に降られる前に城に帰って来れば良いけれど」
心配だねぇ、とマリーが呟いた。
カインはそっと顔を上げ、少し遠くにある窓から外を見つめる。
暗い雲が、一層重く押し寄せてきていた。
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