サンドイッチを口の中に押し込め、ソースが付いてしまった指先を小さな舌がぺろりと舐めた。
余り食欲は無かったけれど、食べなければまた怒られて、心配させてしまうから。
遠くで鳴った音に耳が敏感に反応する。
頬を生温い風が撫でていく。
それが冷たい風に変わるのはもうすぐ。
掌に、うっすらと汗が滲んでいた。
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